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有阪 真*; 木村 貴海; 菅沼 英夫*; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 89(8), p.593 - 598, 2001/08
被引用回数:11 パーセンタイル:61.99(Chemistry, Inorganic & Nuclear)f元素の陽イオン交換挙動におけるアルコールの役割について調べた。発光寿命測定による溶液及び樹脂中におけるM(III)[M=Eu, Cm]の内部水和数の決定、並びにそれらの分配係数の測定により、第1配位圏の水和状態と分配係数との相関について検討した。メタノール添加により、M(III)は溶液中の塩化物イオンに比べ樹脂中のスルホン基とより強く相互作用し、その結果、分配係数が増大することを明らかにした。
住友金属鉱山*
JNC TJ6420 2000-005, 109 Pages, 2000/07
核燃料サイクル開発機構人形峠環境技術センターで発生するウランを含むフッ化カルシウム澱物からウランを除去し、フッ素を安定化させるプロセスについて、塩酸系処理プロセス及び硝酸系処理プロセスにおける物質収支、建設費及び操業費の比較検討を行った。物質収支について、2次廃棄物の発生量を比較すると、硝酸系処理プロセス工程-3が最も少なく、次いで酸素系処理プロセス、硝酸系処理プロセス、硝酸系処理プロセス工程2、同工程-1の順であった。建設費は、塩酸系処理プロセスが最も安く、次いで硝酸系処理プロセス工程-3、同工程-2動向停-1の順であった。操業費は、硝酸系処理プロセス工程-3塩酸系処理プロセス工程-2、同工程-1の順であった。さらに、殿物を直接乾燥し、減容化するプロセスについても同様の評価を行った。直接乾燥・減容化処理プロセスは、低コストで減容できるという利点があるが、ウランを分離していないため、将来その必要性が発生した際には、ウラン分離費用が新たに必要となる。
幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 51(12), p.84 - 104, 1999/12
放射線滅菌される医療用具や食品包装材と原子炉等で使用される電線被覆材料などの耐放射線性とその改善方法について解説した。放射線によるポリマーの性能劣化・物性劣化の原因は、橋かけと分解であり、特に酸化が主たる原因である。電子・イオン捕捉剤、エネルギー移動剤、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤等による放射線劣化制御を放射線反応初期過程におけるラジカルの生成の抑制の観点等から整理した。ポリ塩化ビニルでは可塑剤による着色防止効果を塩酸吸収と分子運動性と関連づけ、ポリプロピレンの放射線劣化ではモルフォロジーと関連づけて解説した。これらの放射線劣化は、既存副資材の配合で防止できることを強調した。さらに、ポリアリルエーテルエーテルケトン等の芳香族系高分子の耐放射線性を紹介した。
Lothenbach, B.*; Ochs, M.*; Wanner, H.*; 油井 三和
JNC TN8400 99-011, 340 Pages, 1999/01
本報告書では、地層処分システム性能評価のための熱力学データベースJNC-TDB(旧PNC-TDB)整備の一環として実施した、パラジウム(Pd)、鉛(Pb)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、ニオブ(Nb)およびビスマス(Bi)の6元素に関する熱力学データ整備について報告する。これらの元素に対して、水酸化物錯体の他、塩化物、フッ化物、炭酸、硝酸、硫酸及びリン酸を含む錯体もしくは化合物の生成に焦点を当ててデータ整備を行った。また、鉛およびアンチモンに対しては硫化物錯体、パラジウムに対してはアンモニウム錯体についてもデータ整備を行った。本データ整備においては、SIT(specificioninteractiontheory)アプローチを用いて、25C、イオン強度0におけるこれらの錯体もしくは化合物の生成定数を整備した。
杉原 陽一郎*; 二宮 一郎*; 向井 克之*
PNC TJ6357 98-002, 43 Pages, 1998/02
ラジウム吸着性能に優れたTi型吸着剤について詳細な製造方法を検討した。吸着剤の樹脂母体としては、吸着剤の水分率が50%程度になるポーラス型のイオン交換樹脂が処理性能の面で最も優れており、酸安定性を向上させる水熱処理条件は、95で1時間以上であった。通液条件については、通液速度、水温、ラジウム濃度、樹脂充填高の影響等について検討を行い、ラジウム吸着量は通液速度、樹脂充填高の影響が大きいことを明らかにした。繰り返し使用に関しては、吸着および塩酸-塩化マグネシウム混合液を使用した再生の過程で酸化剤、酸等の複合的な要因でラジウム吸着性能が低下し、再吸着するとラジウムが漏洩した。Ti-Zr型吸着剤は10-4Bq/mレベルの廃液を使用すると管理目標値を満足することができた。また、再生に塩酸と四塩化チタンの混合液を使用すると、10-3Bq/mの廃液を良好に処理できることが明らかになった。
木村 貴海; 加藤 義春; 武石 秀世; G.R.Choppin*
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.719 - 722, 1998/00
被引用回数:48 パーセンタイル:88.91(Chemistry, Physical)III価アクチノイド、ランタノイドの分離は、高濃度塩素系での陽イオン交換で可能であるが、硝酸系や過塩素酸系では不可能である。媒質中での分離機構の違いは、吸着種の分子レベルでは明らかではない。これまで、時間分解蛍光法によるCm(III)及びEu(III)の内部水和数Nの決定法を報告してきた。本報では、この方法を固液界面でのこれらイオンの水和状態の研究に適用した。陽イオン交換樹脂AGWX8を試用し、トレーサーによる分配計数K,ならびに酸溶液及び樹脂/溶液界面におけるNを測定した。5M以上の塩酸溶液中でCm(III)とEu(III)のK及びNに違いがみられた:K(Eu)K(Cm),N(Eu)N(Cm)。これは、Eu(III)よりCm(III)がクロロ錯体形成が強いことによる。高濃度塩酸中で樹脂上のイオンの内圏から約3-4の水分子が排除されていた。硝酸、過塩素酸溶液での結果も併せて報告する。
相内 更子; 安 隆己; 菅沼 隆; 田中 康正
PNC TN8410 97-107, 53 Pages, 1997/05
再処理の溶解工程にて発生する不溶解性残渣物及び高レベル放射性廃液を安定化するガラス固化体等、固体試料中に含まれる元素を分析するには試料の溶液化が不可欠である。今回、密閉容器を用いるマイクロ波加熱酸溶解法(以下、マイクロ波加熱法と記す)の再処理関連分析への応用検討を目的として、模擬ガラス固化体の前処理及び分析を行い、従来の酸溶解分析との比較・検討を実施した。得られた結果は以下の通りである。(1)マイクロ波加熱法において模擬ガラス固化体試料の完全溶解に要する最短時間は7分であり、従来法の2時間と比較して約1/20の時間短縮が可能となった。(2)マイクロ波加熱法で溶解に要する最少の混酸量は、従来法の約1/2に低減できた。(3)塩酸で処理すると揮発性物質となるCr2O3は表示値通りの分析値が得られ、密閉容器による揮発抑制効果が確認できた。(4)従来法とマイクロ波加熱法での分析値の再現性を比較したところ、後者の変動係数の方が1.21.7倍優れていた。(5)白金族を含む模擬ガラス固化体試料は、RuO2及びZrO2を除き、決定した混酸量・溶解時間で高い溶解率が得られた。(6)白金族を含む模擬ガラス固化体試料のZrO2は、溶解時間と添加する混酸量を増やすことにより、完全に溶解できた。一方、RuO2の最大溶解率は12%程度と低値を示した。
堀田 平*
PNC TJ6557 91-045, 121 Pages, 1990/12
海水中のウランを採取する方法は、一般に次の様に分類できる。1.共沈法2.吸着法3.浮選法4.溶媒抽出法5.生物濃縮法本海水ウラン回収プラントのウラン回収方法は、このうちの吸着法によるものである。この吸着法は、有機系もしくは無機系のウラン吸着剤に海水を適当な期間接触させてウラン成分を吸着させ、その後それに溶離剤をかけてウランを溶離させ、濃縮工程を経たうえでイエローケーキを精製するという方法であるが、海水中に溶存するウランは、総量としては多くても(約40億トン)濃度は薄く(約3ppb)、多量のウランを回収するには膨大な量の海水を吸着剤に接触させる必要がある。この海水の移動を機械的に行うとすれば、莫大なエネルギーを消費することになり、その結果として回収コストが上り、経済性の面で問題点が出てくる。これに対して、海水を吸着剤に接触させるエネルギー源として、海洋に存在する波および海流のエネルギーを利用すれば、回収コストの低減を図ることが可能である。本海水ウラン回収プラントは、この波浪および海流のエネルギーを利用することにより、経済的効率を高めたウラン回収プラントである。2.全体システムの構成海水ウラン回収のプロセスは、1.吸着剤による海水ウランの吸着2.溶離液による吸着剤からのウラン脱離3.沈殿・分離により最終製品のイエローケーキを抽出する精錬の3工程から成り、この工程に対応した回収システムの具体的な設備は、一般に下記から成っている。1.吸着剤を保持し海水と接触させてウランを吸着させる吸着設備2.ウランを吸着した吸着剤からウランを塩酸等により溶離する脱離プラント3.脱離液を処理して最終製品であるイエローケーキを抽出する精錬プラント4.以上の各工程間の吸着剤、脱離液、イエローケーキ等の搬送設備5.各工程に必要な薬剤、水、燃料等のユーティリティを運搬・補給する設備上記設備を備えた回収システムの全体構成としては、各設備の方式や設置場所等多数の方式が考えられるが、本回収プラントは、下記のような吸着・脱離浮体および精錬船の組み合わせとしている。1.吸着・脱離浮体一点係留装置付きの四角全方向通水型構造で、浮体内には脱離プラント、脱離液タンク、塩酸タンク等を装備し、脱離までを行う。2.精錬船1.の浮体より脱離液を受取り、船上に搭載したプラントにより精錬を行ってイエローケーキを生産し、陸揚
熊倉 稔; 嘉悦 勲
Int.J.Appl.Radiat.Isot., 35(1), p.21 - 24, 1984/00
被引用回数:6 パーセンタイル:57.41(Nuclear Science & Technology)モミガラの放射線前処理における酸添加効果を研究した。酸としては塩酸,硫酸,酢酸を用いた。酸濃度を変えて照射し、照射後粉砕することにより115メッシュ以下の粒子径をもつ粉体収率を調べた。塩酸と硫酸の添加における粉体収率およびグルコース濃度は同程度であるが、塩酸の場合は低濃度の酸の添加においてグルコース濃度の極大が認められた。塩酸の添加においては酸濃度の増大によりグルコース濃度は減少した。酢酸は塩酸および硫酸に比較して添加効果が小さかった。塩酸と硫酸の場合は2%の添加量において照射線量の増大とともにグルコース濃度が増大した。モミガラの放射線前処理において、水を添加することにより粉体収率は減少することが明らかになった。
梅澤 弘一; 市川 進一; 夏目 晴夫
JAERI-M 5785, 11 Pages, 1974/07
濃塩酸を溶離剤とする陽イオン交換カラムクロマトグラフィにおける、ゲル型、ポーラス型各種樹脂の性能を比較検討した。ゲル型樹脂では、きわめて細かい粒度のものを用いないかぎり良い分離ができない。また、低架橋度の樹脂を用いると、分配係数、および分離係数はともに減少するが、同一サイズのカラムで得られる理論段数はむしろ増加する。ポーラス型樹脂を用いると、分配係数、ならびに分離係数は、同架橋度のゲル型樹脂による場合と変らないが、理論段数が約3倍に増し、かつテーリングが著しく減少した。ダイヤイオンCPK08、粒径35、4mm径20mm長のイオン交換カラムにより、11.7M塩酸溶液(市販特級試薬)を用いて、Am、Cm、YおよびEu-Ceを相互に良く分属することができた。
長山 尚; 大野 新一; 大久保 隆
Radioisotopes, 21(8), p.478 - 481, 1972/08
45kCiCoガンマ緯線源を用いて,0.8N塩酸酸性水溶液中のFe'Fe'の放射緯酸化反応を調べた。反応機構,緯量率依存性,温度依存性,安定性なども調べた結果,この系を40Mradまでの緯量測定の目的で使用できることがわかった。
石森 富太郎*; 木村 幹*; 中村 永子*; 小野 麗子*
日本原子力学会誌, 5(7), p.566 - 571, 1963/00
抄録なし
佐々木 祐二; 金子 政志; 伴 康俊; 木下 了磨*; 松宮 正彦*; 新奥 孝太*; 城石 英伸*
no journal, ,
3級アミノ窒素を持つジアミド,IDOA(イミノジオクタアミド)により高塩酸濃度の溶液からRh(III)の比較的高い分配比(およそ1)を得た。これは、IDOAが酸溶液でプロトネーションし、カチオンの抽出剤として、アニオン種のRhCl等をイオン対抽出したものである。Rh(III)の溶媒抽出挙動の報告例は少なく、理論的解明と突き合わせて詳細を追跡する。
木下 了磨; 佐々木 祐二; 金子 政志; 松宮 正彦*; 新奥 孝太*; 城石 英伸*
no journal, ,
塩酸溶液中で多くの金属イオンはアニオン種で安定に存在する。NTAamideを代表とする3級アミノ窒素を含むジアミノ抽出剤は酸性溶液中でプロトネーションを起こし、カチオン性の抽出剤となる。本研究では、多種の金属塩化物アニオンとカチオン種のNTAamide(C6)のイオン対抽出反応について調査を行った。併せて、金属塩化物錯体の安定度定数やDFT計算を組み合わせることによって分配比を予測し、実験値との比較を行った。
佐々木 祐二; 伴 康俊; 松宮 正彦*
no journal, ,
塩酸溶液中で多くの金属イオンはアニオン種で安定的に存在する。NTAamideを代表とする第3級アミノ窒素を含むジアミノ抽出剤は酸性溶液中でプロトネーションを起こし、カチオン性抽出剤となる。本研究は、特に白金族元素やその関連金属を取り上げ、金属塩化物アニオンとカチオン性抽出剤によるイオン対抽出反応を行い、その抽出特性について調査を行った。